Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
「分るよ師匠、ホレ、ホラ、あの……おもいだしてくんねえよ」
「呆れたお人だ」
いよいよ呆れてしまって、
「分るものかね私にそんなこと、どこだよ一体」
「りゅう、りゅう、りゅうしさん――」
やっと思いだしたように萬朝、いった。
「エ、りゅうしさん、りゅうしさんてえと」
圓朝は腑に落ちない顔をした。
「ホ、ホレ柳枝。春風亭柳枝師匠だよ。うそにもあの野郎、三遊の飯を食ってやがって敵方の柳派のおん大将ンとこへ入っちまいやがるなんて、太え、太え、いけッ太え畜生だ」
正直一途の萬朝はもうカンカンになって腹を立てていた。のちの明治になってからほどハッキリと分れていたわけではなかったが、そのころのことにしても三遊派と柳派とは歴史的にも落語界での二大潮流だった。ほんとうにいま萬朝の怒る通り、ほんとうに小勇が撰りに撰ってその柳派の大頭目たる春風亭柳枝のところへ、自分に無断で草鞋をぬいでしまったとしたら。
さすがに圓朝はいやあな心持がした。
このごろいっそう自分に機嫌の悪くなった師匠、圓生が、つい二、三日前も寄合で(たまたま自分は用事があって顔をださなかったのだったが)大ぜいの人たちのいる前で圓朝の奴は留守中俺に無断で端席を打って恥さらしな真似をしたとか何とか大そう自分のことを悪しざまに罵っていたと耳にした。