Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
「あの、それだけは特別に最前文楽師匠いっておいででしたよ、師匠」
「エ、何だって」
「何しろ圓太の野郎が行ってねえから、余計お前ンとこの師匠に早く報せにきたんだ、薄情野郎あン畜生め、四谷が倒れたと聞いたらそれっきり影覗きもしやがらねえって」
「行こう、圓太郎」
また急にプーイと立ち上がって、最前から話の様子をホロホロした表情で聞き入っていた小糸のほうを振り向くと、
「聞いての通りだ、白玉どころじゃない、すぐ私はこれを連れて駈け付けよう。サ、何でもいいから仕度をしてくれ。圓太郎、お前は駕籠を二挺みつけてくるんだ」
「合点で」
奴凧のように頓狂に両袖丸めて圓太郎は、真一文字にバタバタ座敷を駈け抜けていった。
四
「……」
ゲッソリと変り果てた師匠圓生の寝顔の上へ、黙って圓朝は顔をやった。ジッとみつめていた。
ボコンと頬が落ち込み、顔全体にいやあな赤ちゃけた血が上り、一面の無精鬚の中に相変らず大きく盛り上がっている鼻ひとつ、まるで生きながらの墓標のように侘びしかった。
「……」
情けなさにたちまちククと含み上げてくるものがあった。じつはここへくる途中、青山の久保本まで大廻りして、あらかじめ女主人と下足番の爺やとから、発病前後のことを聞きただしてきたのだが、師匠の一家はいま聞きしに勝る惨憺たる体落だった。