Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
といって何も持ちだして買い食いをしようの、悪遊びをしようのというのじゃない。今年十二になる坊っちゃんの書きかけて止めにしてしまった手習草紙があるとすぐそれをもらっては四つに切った。また八つに切った。その紙の中へお店の小銭を適当に掴みだすと、手際よくクルクルと包んではすぐ封じ目を糊で貼った。
そしてその上へ、下座さんと書いた。
圓之助様と書くのもあった。
橘太郎様と書くのもいた。
圓八様ともまた書いた。
さらに勇八様と、圓助様と――みんな落語家時代の同じ楽屋の人たちの芸名だった。
また小圓太様と自分で自分の芸名を書いたものもあった。ほかの人たちのより少し余分のおあしが包まれていた、自分のほうが弟弟子なのに。
一番大きく重い紙包みには、圓太郎御師様と特別に筆太に書かれてあった。即ち、自分の父親の分だった。
くどくもいうとおり次郎吉、決してこれらのお銭をいちいち自分のものにしようのどうしようというのじゃなかったが、ただ、青黒く燻んだお銭を見ると、本能的に小さな紙包みをこしらえてはお銭を包み、その上へ連中の名前があれこれと書きたくなるのだった。
何人分かのを残らず書き上げるともうそれですっかり気がすんでしまう次郎吉は、ことごとくそれらを元の帳場格子の中の銭箱へと放り込んで顧みなかった。