Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
我れと我が身へしっかりしろしっかりしろと呼びかけたけれど、何の他足にもならなかった。カカカカーッと火のようなものが胸許を走り上がってきたとおもったら、何だろうガバガバガバといきなり吐いた。絵の具皿を放りだしてうつ伏せに打ッ倒れたのとガーッと何をか吐いたのとがほとんど同時だった。
「……」
けたたましい物音に愕いて兄弟子たちが駈けつけてきたとき、
「ウム、ウーム」
すさまじい呻り声立てて、バッタリ次郎吉は倒れていた。しかも倒れているその周り、時ならぬ胡粉の雪の白皚々へはベットリながれている唐紅の小川があった。
吐血したのだった。
とりあえずその小部屋へ蒲団を敷いて次郎吉は、寝かされた。ある者はすぐ医者を呼びにいった。またある者は湯島の家へと報せに走った。
意地も我慢もなくただもうグッタリと次郎吉は、絵の具の匂いの濃く鼻をつく暗い蒸暑い小部屋の片隅で伸びていた。青白く血の気の引いた硬ばった顔が、ピクピクピクピク痙攣していた。ときどき起き上がるとトプッと枕許の金盥へまた血を吐いた、ほんの鶏頭の花ほどだったが。
「しっかり、しっかりしろ次郎。いま桐庵先生がきて下さるぞ」