Classici giapponesi con furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Leggi 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.234 caratteri · 160 schermate
尊意が、咽喉が渇いておいでゞしょうと云って柘榴をすゝめたのを、丞相は取って口に啣んでひしひしと噛み砕き、妻戸のふちに吐きかけたかと思うと、見る/\一条の火焔となって燃え上ったが、尊意が灑水の印を結ぶと、たちどころにその火が消えた。
それから間もなく洛中の空に黒雲が蔽い廣がって大雷雨が襲来し、風を起し雹を降らして、宮中の此処彼処に落雷した。満廷の朝臣たちが戦き恐れ、或は板敷の下に這い入り、或は唐櫃の底に隠れ、或は畳を担いで泣き、或は普門品を誦しなどする中で、時平がひとり毅然として剣を抜き放ち、空に向って雷霆を叱咤したのは此の時の話であるが、その後風雨がなお止まず、遂に鴨川の洪水を見るに至った。法性房尊意も宣旨が三度に及んだので、已むを得ず参内して、法力を以て雷電を取り鎮め、帝のおん悩みを除いたのであったが、その時尊意の乗った車が鴨川の浜にさしかゝると、水が自然に退いて車を通した。又宮中に於いて尊意が加持祈祷している時、帝は夢に不動明王が火焔の中で声をまして呪文を唱えていると見給い、おん眼がさめて御覧になると、それは尊意の読経の声であったと云う。
しかし尊意の法力も度重なっては効を奏さなかったのか、その後五年を経、八年の十月には菅根朝臣が電撃を受けて震死した。