Classici giapponesi con furigana
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にだい
尼提
Leggi 尼提 (にだい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2155 caratteri · 5 schermate
けれどもその何ものたるかは尼提の知っているところではない。ただ彼の知っているのはこの舎衛国の波斯匿王さえ如来の前には臣下のように礼拝すると言うことだけである。あるいはまた名高い給孤独長者も祇園精舎を造るために祇陀童子の園苑を買った時には黄金を地に布いたと言うことだけである。尼提はこう言う如来の前に糞器を背負った彼自身を羞じ、万が一にも無礼のないように倉皇と他の路へ曲ってしまった。
しかし如来はその前に尼提の姿を見つけていた。のみならず彼が他の路へ曲って行った動機をも見つけていた。その動機が思わず如来の頬に微笑を漂わさせたのは勿論である。微笑を?――いや、必ずしも「微笑を」ではない。無智愚昧の衆生に対する、海よりも深い憐憫の情はその青紺色の目の中にも一滴の涙さえ浮べさせたのである。こう言う大慈悲心を動かした如来はたちまち平生の神通力により、この年をとった除糞人をも弟子の数に加えようと決心した。
尼提の今度曲ったのもやはり前のように狭い路である。彼は後を振り返って如来の来ないのを確かめた上、始めてほっと一息した。如来は摩迦陀国の王子であり、如来の弟子たちもたいていは身分の高い人々である。