Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おくじょうのきょうじん

屋上の狂人

菊池 寛

Leggi 屋上の狂人 (おくじょうのきょうじん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7649 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

それよりか、若旦那の好きなあぶらげを買うて来ましょうか。あれを見せたらすぐ降りるけに。

義助 それより竿で突ついてやれ、かまやせんわい。

吉治 そななむごいことができるもんな。若旦那は何も知らんのや。皆憑いている者がさせておるんやけに。

義助 屋根のぐるりに忍び返しをつけたらどうやろうな、どうしても上れんように。

吉治 どななことしても若旦那には効き目がありゃしません。本伝寺の大屋根へ足場なしに上るんやもの、こなな低い屋根やこしはお茶の子や。憑いとる者が上らせるんやけに、どうしたって効きゃせん。

義助 そうやろうかな。あいつには往生するわい。気違いでも家の中にじっとしとるんならええけれど、高い所へばっかし上りゃがって、まるで自分の気違いを広告しとるようなもんや。勝島の天狗気違いというたら、高松へまで噂がきこえとるいうて末がいいよって。

吉治 島の人は狐がとり憑いとるいうけれど、俺は合点がいかんがなあ。狐が木登りするということはきいたことがないけになあ。

義助 俺もそう思うとんや。俺の心当りは別にあるんや。義の生れる時にな、俺はその時珍しい舶来の元込銃でな、この島の猿を片っ端しから撃ち殺したんや。