Classici giapponesi con furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate
同行八人の寝室も、食堂も、ここで兼ねるのである。早速、焚火にかかって、徒渉に濡れた脚絆を乾すやら、大鍋を吊して湯を沸かしたりする。
広河内の土地のありさまは、中央日本アルプスの聖境、上高地の中、島々方面から徳本峠を下り切った地点に、よく似ている。大沢が、濶く、峡間に延びて、峡流の分岐したのが、幾筋となく蜿ねり、枯木が、踏み砕かれた、肋骨のようになって、何本も仆れている。水に漂流したまま、置いて行かれたのであろう。そうして、山榛の木、沢胡桃などが、悄然と、荒れ沢の中に散在している。栂、樅、唐檜、白樺などは、山の崕に多く、水辺には、川楊や、土俗、水ドロの木などが、疎に、翠の髪を梳っている。七月の炎天も、この谷間までは迫って来ないと見えて、白剥山を一つ超えて、東俣の谷へ来ると、未だ若葉、青葉の新緑が、生々しかったが、ここまで溯ると、濶葉、細葉は、透明を含んだ、黄の克った、明るみのある嫩い緑で、霧の雫にプラチナのように光った裏葉を翻えしている。峰には未だ、残の雪がかっきりと、白く浮き上って見えるほどである。一体に、谷は、四月の末か、五月頃の柔々しい呼吸で充ちていて、大きな声を出すのすら、いたいたしいようだ。