Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate

Aozora Bunko

襤褸のように、石がズタズタに裂けている岩壁にも、高山植物が喰いついて、石の頭には岩茸がべったりと纏っている、雪も噛んでみた、黄花石楠花の弁を、そっとむしって、露を吸っても見た、それほど喉が乾いて来た、小さな獣の足跡が、涸谷の方から、尾根の方へ、雨垂れのように印している、嘉代吉は羚羊の足跡だと言って、穂高岳も、この辺は殆んど涸谷に臨んでいる絶壁ばかりだと言った、それが垂るんだり、延びたりしているのである。

その「大垂るみ」の絶壁が飛騨側から信州側に移ったとき、垂直線を引き落した、駭くべき壮大なる石の屏風がそそり立って、側面の岩石は亀甲形に分裂し、背は庖刀の如く薄く、岩と岩とは鋭く截ち割られて、しかも手をかけると、虫歯の洞のようにポロポロと欠けるので、石とも土ともつかなくなっている、手をかけても、危くないように、揺り動かしては、うわべの腐蝕したところを欠く、欠けば欠くほど、ざわざわと屑の石が鳴りはためいて、谷々へ反響する、霧は白くかたまって、むくむくと空を目がけてって来る、準備の麻の綱を出して、私の胴を縛りつけ、嘉代吉に先へ登って、綱を引いてもらって、岩壁にしがみつきながら、登ったが、さて飛騨から信州側に下りようとしたら、岩の段が崩壊して、どうにもこうにも、ならない、中で頑畳らしい