Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate
池を隔て、鉄糞で固めたように、ドス黒く兀々として、穹窿形の天井を、海面から約一〇二四〇尺(三一〇三米突)の高さまで、抜き出している。
穂高岳をめぐっている空気は、いつも清澄で、夕の空の色などは、美しく濃く、美しく鮮やかで、プルシアンブルーが、谷一面の天を染めている、その下に、ずらりと行列して、空の光が雨のようにふりそそぐに任せている谷の森林は、樅、栂、白檜、唐櫓、黒檜、落葉松などで、稀に椹や米栂を交え、白樺や、山榛の木や、わけては楊の淡々しく柔らかい、緑の葉が、裏を銀地に白く、ひらひらと谷風にそよがして、七月の緑とは思われぬ水々しさをしているが、一度穂高岳の半腹に眼をうつすと、鋭利な切れ物で、青竹を斜に削いだような欠刻が、空気に剥き出されて、重苦しい暗褐色の岩壁が、蝙蝠の大翼をひろげて、人の目鼻をふさぐように、谷の森にも、川にも、河原にも、嵩になってのしかかって見える。
「あんなところが登れようかね」と、岩壁の白い薙を指しながら、話の緒を引き出したところが、あすこは嘉門次が、つい去年、山葵取りに入りこんで、始めて登ったところで、未だ誰もその外に、入った