Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
それっきり事件は迷宮に這入ってしまって、世間からも新聞社からも忘れられているらしい。
これだこれだ……。
コンナ美味(うま)い材料(ねた)が外に在るものか。特に吾輩のために警察が取っといてくれたような迷宮事件だ。
第一、人を殺すのに目的無しで殺す奴があるものじゃない。
第二にコンナ気の小さい、苦労性な老爺(おやじ)は、儲けた金を銀行や郵便局へ預けるほかに、よく現金のマンマで、どこか人の知らない処にシコ溜めている例があるものだ。殊に世間から、正直とか、仏とか呼ばれている人間にソンナ種類の金溜(かねた)め屋(や)が多いのは、吾輩が覗きまわった種々雑多な社会層の中(うち)で屡々(しばしば)見聞しているところである。――とか何とか気取らなくとも、新聞の所謂(いわゆる)三面記事に気を附けている人なら、直ぐに首肯出来る事実であろう。
第三に、この兇行は元来、計劃的のものらしい臭味(におい)がして仕様がない。現場(げんじょう)を見なければ判然(わか)らないが、その秘密の現金を狙った奴が、わざと老爺(じじい)に上等の下駄を誂(あつら)えて、仕事にかかった油断を見澄(みす)まして一気に遣っ付けた仕事だ……という感じが新聞記事を読んだだけで直ぐにピインと来るのではないか。