Classici giapponesi con furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Leggi 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.441 caratteri · 102 schermate
広矢(ひろや)と申します。今朝早く、夜中に、かなり多量のカルモチンを嚥下(えんか)したらしいですが、胃洗滌をやってみたら残りを出してしまいました。消化不良らしいですから大抵助かるでしょう」
「警察から誰か来ましたか」
「千代町の派出所から巡査が一人来ておりましたが大丈夫助かると云ったら、そのまま帰って行きました」
「成る程。死なない限り用は無いと思ったのでしょう」
と云ううちに吾輩は、そこいらを探しまわったが、成る程遺書(かきおき)らしいものはどこにも無い。女の袂(たもと)から額縁の裏まで引っくり返してみたが、出て来たものは袂糞(たもとくそ)とホコリばかりだ。ただ机の曳出(ひきだし)から分厚い強度の近眼鏡と、カルモチンと同じ位のカスカラ錠の瓶を探し出しただけであった。そんな物を探しているうち偶然に、机の前に投出してある女の足袋(たび)を踏付けると、踵(かかと)の処が馬鹿に固いのに気が付いた。
覗いてみると、背が高く見えるように女が入れるファインゴムだ。
吾輩はソレを抓(つま)み上げて広矢氏に見せた。
「この足袋は貴方(あなた)が脱がせたんですね」
広矢氏は海老(えび)のように赤くなって弁解した。