Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みんざんのいんし

岷山の隠士

国枝 史郎

Leggi 岷山の隠士 (みんざんのいんし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9095 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

ひょっとかすると好敵手かもしれない」

「幾歳ぐらいの野郎だい?」

「そうさな、君よりは十二ほど若い」

「面白くもねえ、青二才じゃアないか」

「止めたり止めたり食わず嫌いはな」

「どうも仕方がねえ、会うだけは会おう」

杜甫は名門の出であった。

左伝癖をもって称された、晋の杜預の後胤であった。曾祖の依芸は鞏県の令、祖父の審言は膳部員外郎であった。審言は一流の大詩人で、沈期、宋之門と名を争い、初唐の詩壇の花形であった。

父の閑は奉天の令で、公平の人物として名高かった。

杜甫は随分傲慢であった。弱い癖に豪傑を気取り、不良青年の素質もあった。ひどく愛憎が劇しかった。それに肺病の初期でもあった。立身出世を心掛けた。その顔色は蒼白く、その唇は鉛色であった。いつもその唇を食いしばっていた。人を見る眼が物騒であった。相手の弱点を見透しては、喰い付いて行くぞというような、変に物騒な眼付であった。威嚇的な物の云い方をした。その癖すぐに泣事を云った。

決して感のいい人間ではなかった。

体質から云えば貧血性であったが、気質から云えば多血質であった。

いつも不平ばかり洩らしていた。

だが意外にも義理堅く、他人の恩を強く感じた。