Classici giapponesi con furigana
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さいしょせい
崔書生
田中 貢太郎
Leggi 崔書生 (さいしょせい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2809 caratteri · 6 schermate
女は顔へやっていた袖をとって僕を見て微笑した。僕は女を軽がると抱きあげて馬へ乗せた。
「お宅は何方様でございます」
女は黙ってむこうの方へ白い指をさした。僕は女の指の方へ馬を曳いて進んだ。崔もその後から馬を歩かせた。
林の中は月の光がさしたように明るくなった。女は振り返って崔の方を見た。それは綺麗な紅い唇をした少女であった。女は笑った。崔も笑顔をしてそれを迎えた。
すこし歩いているとむこうの方で女の声がした。二三人の青い着物を着た婢が来ていた。
「どんなにおさがししたか判りません」
一人の婢は進んできて女を見た後に、その眼を僕へやった。
「どうもありがとうございました、御厄介をかけて相すみません」
「お嬢さんが、お困りになってらっしゃるのを、私の主人が見まして、お送り申せと申しますので、お送りいたしました、あの馬に乗ってるのが、私の御主人でございます」
婢は崔の傍へ往った。
「とんだ御厄介をかけまして、ありがとうございます、すぐ傍でございますから、ちょっとお立ち寄りを願います」
崔は女に眼を引かれていた。崔はそのまま帰りたくはなかった。一行は前へ往った。