Classici giapponesi con furigana
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さいしょせい
崔書生
田中 貢太郎
Leggi 崔書生 (さいしょせい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2809 caratteri · 6 schermate
林のはずれがきた。年とった青い着物を着た婢が一人立っていた。年とった婢は崔の傍へ来た。
「お嬢様が御厄介をかけまして、なんともお礼の申しようもございません、今晩お酒宴をしておりますうちに、興にまかせて、お歩きになったために、こんなことになりました、お陰様でお怪我もせずにすみました、奥様がどんなにお喜びになるか判りません、お立ち寄りを願います」
十丁あまりも往くとまた林がきた。林の入口に別荘風の家が見えて、そのまわりに桃と李の花が一面に咲いていた。暖かな風が吹いて花の香を送ってきた。
門口にもまた五六人の婢が立っていた。婢の群は若い女を馬からおろして入って往った。崔も馬からおりて僕といっしょにそれぞれ自個の乗っていた馬を傍の花の木に繋いだ。林のはずれに立っていた婢が若い二三人の婢といっしょに引返してきた。
「奥様が大変な喜びでございます、どうかお入りくださいまし」
崔は僕を残しておいて年とった婢に導かれて家の中へ入った。広い清らかな室があって酒や肴がかまえてあった。室の隅には四十前後の貴婦人が腰をかけていた。貴婦人は崔を見ると起ってきた。
「よくいらしてくださいました」