Classici giapponesi con furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Leggi 嵐 (あらし) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.007 caratteri · 108 schermate
子供の「泣いたもの」の始末にも人知れず心を苦しめた。そんなことで顔を紅めさせるでもあるまいと思ったから。
次第に、私は子供の世界に親しむようになった。よく見ればそこにも流行というものがあって、石蹴り、めんこ、剣玉、べい独楽というふうに、あるものははやりあるものはすたれ、子供の喜ぶおもちゃの類までが時につれて移り変わりつつある。私はまた、二人の子供の性質の相違をも考えるようになった。正直で、根気よくて、目をパチクリさせるような癖のあるところまで、なんとなく太郎は義理ある祖父さんに似てきた。それに比べると次郎は、私の甥を思い出させるような人なつこいところと気象の鋭さとがあった。この弟のほうの子供は、宿屋の亭主でもだれでもやりこめるほどの理屈屋だった。
盆が来て、みそ萩や酸漿で精霊棚を飾るころには、私は子供らの母親の位牌を旅の鞄の中から取り出した。宿屋ずまいする私たちも門口に出て、宿の人たちと一緒に麻幹を焚いた。私たちは順に迎え火の消えた跡をまたいだ。すると、次郎はみんなの見ている前で、
「どれ三ちゃんや末ちゃんの分をもまたいで――」
と言って、二度も三度も焼け残った麻幹の上を飛んだ。