Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
ここでは斬らぬから安心しなさい。いや、これが、わたしが江戸へ捜しに参った当の男なので、顔を見たとき、むかむかとしたまでだ。大丈夫ここはこのまま逃がしてやる。うふふ、いかさま御門内じゃ。とんぼは獲らぬ。が、このとんぼめ、いまは何と名乗って、どこに住んでいると申したかな」
磯五は、もうけろりとして、龍造寺主計の顔をみつめたまま答えようとしないので、お高が、代わって答えた。
「日本橋式部小路の呉服太物商、磯屋五兵衛と申すとんぼでございます」
「あくまでとんぼか」龍造寺主計は、やわらかになった眼を、お高へ置いて「その磯屋五兵衛を許すのではない。お前のあつかいによって、とんぼを一匹ゆるしてつかわすのだ。しかし、上方で、こやつは何と申しておったか、ただいまちょっと失念いたしたが、むこうで会うたこともあるし、わしは、人の顔を見違うことはない。この顔だ。盛り場の人込みで一瞥しても、識別いたす。この顔です」
一空和尚が、はじめて口を出した。
「何だ。面白うもない。喧嘩は取りやめかい」
吐き出すようにいって、本堂のむこうにある自分の庵室のほうへ、どんどん帰って行った。
磯五は、終始口ひとつきかなかった。