Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
何もかも忘れていた。忘れようとしていた。男の兄弟などないほうがいいし、母の身代を受け継いでたいそうな気骨を折ることはまッぴらだと思った。
そう思って、こころをまぎらすためにとんきょうな国平が何か面白いことをいうたびに、飛び出すような笑いを笑って、ぶらぶら歩いた。
青柳町から護国寺の前を通って、田んぼのあいだを行くと、そこらはもう雑司ヶ谷であった。一面の青い色が、お高をよろこばせた。一団の桜樹が葉になって、根元の土に花びらがひらひらしているところもあった。百姓家でははねつるべの音がきしんで、子守が二人を見送っていたりした。
大久保彦左衛門様おかかえ屋敷の横から鬼子母神へ出て、お参詣をすました。鬼子母神様は、内拝につどう講中の人でこんでいた。物売りなども出て、それはそれは大変なざわめきであった。お高は、信心よりも野遊びに来たので、そのにぎわいは好ましくなかった。大行院の拝殿へまわって、由来を読んだりした。
ここに納めてある尊像の出たところは、いま通り過ぎて来た音羽の護国寺から坤の方角に当たる清土という場処で、そこへ行くと、今でも草むらの中に小さな祠があって、はじめはここに祀ってあった。