Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate

Aozora Bunko

お高は、おなかの子供のことさえなければ、何もかもそのままにして、自分一人でどこか遠い旅へでもたってしまいたかった。それは若松屋惣七の前にいると、じぶんも苦しいし、若松屋惣七をも苦しめるのが、それがまた苦しいので、いっそそんなことも考えられるのだったが、それは、お高が若松屋惣七を恋しているからで、ではといって、思い切ってそうし得ないのも、つまりは、同じ理由からだった。

「お金をやって手を切ってもらえれば、一番いいのでございますけれど、そのお金がくるのやらこないのやら」

「縁切りになっておると申したではないか」

お高ははっとして、その若松屋惣七のことばを無視しようと努めた。そして、

「いっそ死にでもしてくれますと――」

といいかけて、いっそうはっとして口をつぐんだ。あわてて、上眼づかいに若松屋惣七を見た。

若松屋惣七は、平然としていた。聞こえないようすなのだ。しかし聞こえないはずはない。若松屋惣七も、そのお高のことばを無視して、ぎょっとしたのを隠そうとしているらしかった。表情のない人なので、顔には何も出ていなかった。

しばらくしていった。

「わしとお前とのことは、どこまで行っても、同じであろう。