Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
といって、格別うるさがっているようすもなく、来たものだから会おうという顔だ。
はいって来たお高は、この日本一太郎を見ると、なつかしいはずなのが、ちっともなつかしくなかった。ただおかしかった。彼女にとって、日本一太郎はやっぱり日本一太郎だった。父の相良寛十郎ではなかった。父の相良寛十郎は、あの古石場で死んだ、静かな、学者肌の、陰気な、気の抜けたような、蒼白い――彼女が父と信じてきた相良寛十郎だった。
それでいいのだ。そのほかに父はないのだ。いらないのだ。たとえほんとの父でも、この相良寛十郎は、もう今は日本一太郎以外の何ものでもない――。
手品師の父、父というよりも、なくなった母の良人だ。お高は、珍妙な生物を見るような眼で老人を見た。
「おすわんなさい」
日本一太郎は笛みたいな声を出すのだ。
四
鋭い視線がお高をなでた。
「ははあ、高音さんかえ。おゆうにそっくりだな。わしにはあまり似ておらん」
お高は不思議な怒りを感じて、黙って、にらむように日本一太郎を見かえしていた。
それからいろいろと話になったのだが、お高が、じぶんが受けついだ柘植の財産のことを切り出して、父の分もあるのだし、それと、そのほかからもいくらでもとってもらいたいというと、父の日本一太郎は、金銭のことなど、もう実際何の興味もないようで、