Classici giapponesi con furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
何かは知らぬが、相手しだいではもちろんどんなにでもあばれるつもりだ。
と、さらり、襖があいた。
縁から射す未の刻の陽をまともに浴びて、ひとりの若侍が立っている。
ぞろりとした着流しに長い刀をりゃんときめて、所在なげに両手を帯前へ突っこんでいるのだが、それが、早い話が若様御成人といった形で、このところすくなからずあっけない感じだ。
文次はほっと息をもらした。気負いかかっていただけにいっそうきょとんとして、取って付けたようなおじぎをすると、侍はもうこっちの部屋へ踏み込んで来て、二人の鼻っ先に迫っている。
その顔を見て今度は文次、思わず、
「や! これは!」
と心中驚愕の声をあげた。
まるで歌麿の女である。月の眉、蕾の口、つんと通った鼻筋に黒みがちの瞳、江戸じゅうの遊里岡場所をあさっても、これだけの綺麗首はたくさんあるまいと思われるほど、名代の女形が権八にふんしたような、実にどうも優にやさしい美男。
これにつけて思い出すのは、津賀閑山の下男久七が、確かに女のような若いお武家さまが鎧櫃をお受け取りになりましたと申し立てていること。ははあ、さてはこいつだな、と文次はひそかにうなずいたが、それにしてもこの二枚目、何しに空屋にうろうろしている。