Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Leggi 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) di 高村 光雲 (たかむらこううん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2946 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

まず、いろいろの話をする前に、前提として私の父祖のこと、つまり、私の家のことを概略話します。

私の父は中島兼松といいました。その三代前は因州侯の藩中で中島重左エ門と名乗った男。悴に同苗長兵衛というものがあって、これが先代からの遺伝と申すか、大層美事な髯をもっておった人物であったから、世間から「髯の長兵衛」と綽名されていたという。その長兵衛の子の中島富五郎になって私の家は全くの町人となりました。

富五郎の子が兼松、これが私の父であります。父の家は随分と貧乏でありました。これは父が道楽をしたためとか、心掛けが悪かったとかいうことからではありません。全く心柄ではないので、父の兼松は九歳の時から身体の悪い父親の一家を背負って立って、扶養の義務を尽くさねばならない羽目になったので、そのためとうとうこれという極まった職業を得ることも出来ずじまいになったのであります。父としては種々の希望もあったことでありましょうが、つまり幼年の時から一家の犠牲となって生活に追われたために、習い覚えるはずのことも事情が許さず、取り纏まったものにならなかったことでありました。

祖父に当る富五郎は八丁堀に鰻屋をしていたこともありました。