Classici giapponesi con furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Leggi 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) di 高村 光雲 (たかむらこううん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3211 caratteri · 7 schermate
「どうも妙なものですね」
家のものもそういって見ている。
私は近寄って箱の蓋を明けましたが、直ぐに飛び出して来ようともしません。寝転んだままで悠々としている処、どうも動物とはいえ甚だ権が高い。
「名は何んというのかね」
「種っていうんだって教えてくれました」
国さんはいっている。
私が「種、種」って呼んで見ますと、やがて、のっそりと起き出て来ました。出たのをよく視ますと、まるで葉茶屋の狆とは雲泥万里の相違で、同じ狆とはいいながら、似ても似つかぬような風采です。のそりと畳の上を歩く音がバサリというように聞えます。バサバサと畳の音がするのです。そうして悠々然と四方に人もおらぬといった風に構えている処は鷹揚といって好いか、寛大といって好いか、とにかくその迫らぬ態度は葉茶屋の狆のチョコマカと愛嬌あって活溌なのとは比べもつかぬ。もっとも、この戸川さんから来た狆は大分年老っているので血気旺んというのでないから、その故もあるか、私たちが狆らしい狆だと思う種類とは掛け離れたものに見えます。しかし、どっちが好いとも分りません。どっちが好いとも分らないが、戸川さんから来た方は指と爪が長くて、指と指との間に毛が一杯生えている。