Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

私の足音に振向いて、お邪魔様といって、身を開いて通して呉れて、お糸さんは何とも思っていぬ様だったが、私は何だか気の毒らしくて、急いで二階を降りて了った。

用を達してから出て来て見ると、手水鉢に水が無い。小女は居ないかと視廻す向うへお糸さんが、もう雑巾掛も済んだのか、バケツを提げてやって来たが、ト見ると、直ぐ気が附いて、

「おや、そうだッけ……只今直ぐ持って参りますよ。」

と駈出して行って、台所から手桶を提げて来て、

「お待遠様。」

とザッと水を覆ける時、何処の部屋から仕掛けたベルだか、帳場で気短に消魂しくチリリリリリンと鳴る。

お神さんが台所から面を出して、

「誰も居ないのかい? 十番さんで先刻からお呼なさるじゃないか。」

「へい、只今……」

とお糸さんが矢張下女並の返事をして、

「お三どん新参で大狼狽……」

と私の面を見て微笑しながら、一寸滑稽た手附をしたが、其儘所体崩して駈出して、表梯子をトントントンと上って行く。

私が手を洗って二階へ上って見たら、お糸さんは既う裾を卸したり、襷を外したりして、整然とした常の姿になって、突当りの部屋の前で膝を突いて、何か用を聴いていた。