Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

「今お帰り? 大変御緩りでしたね。」

帰って来たのは隣の俗物らしく、其声で何だか言うと、又お糸さんの声で、

「あら、本当? 本当に買って来て下すったの? まあ、嬉しいこと! だから、貴方は実が有るッていうンだよ……」

してみると、お糸さんに対って敬意を表するのは私ばかりでないと見える。

五十六

私がお糸さんに接近する目的は人生研究の為で、表面上性慾問題とは関係はなかった。が、お糸さんも活物、私も死んだ思想に捉われていたけれど、矢張活物だ。活物同志が活きた世界で顔を合せれば、直ぐ其処に人生の諸要素が相轢してハズミという物を生ずる。即ち勢だ。此勢を制する人でなければ、人間一疋の通用が出来ぬけれど、私の様な斗輩になると、直ぐ其勢いに制せられて了って、吾は吾の吾ではなくなって、勢の自由になる吾、勢の吾になって了う。困ったものだが、仕方がない。私は人生研究の為お糸さんに接近しようと思ったのだけれど、接近しようとすると、忽ち妙なハメになって、二番さんだの八番さんだのという番号附けになってる俗物共の競争圏内に不覚捲込まれて了った。又捲込まれざるを得ないのは、半襟二掛ばかりの効能じゃ三日と持たない。