Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate

Aozora Bunko

仕方がないから、聞える儘に其音に聴入っていると、思做しで種々に聞える。或は遠雷のように聞え、或は浪の音のようでもあり、又は火吹達磨が火を吹いてるようにも思われれば、ゴロタ道を荷馬車が通る音のようにも思われる。と、ふと昼間見た絵本の天狗が酒宴を開いている所を憶出して、阿爺さんが天狗になってお囃子を行ってるのじゃないかと思うと、急に何だか薄気味悪くなって来て、私は頭からスポッと夜着を冠って小さくなった。けれども、天狗のお囃子は夜着の襟から潜り込んで来て、耳元に纏り付いて離れない。私は凝然と固くなって其に耳を澄ましていると、何時からとなくお囃子の手が複雑で来て、合の手に遠くで幽かにキャンキャンというような音が聞える。ゴウという凄じい音の時には、それに消圧されて聞えぬが、スウという溜息のような音になると、其が判然と手に取るように聞える。不思議に思って益耳を澄ましていると、合の手のキャンキャンが次第に大きく、高くなって、遂には鼾の中を脱け出し、其とは離ればなれに、確に門前に聞える。

こうなって見ると、疑もなく小狗の啼き声だ。時々咽喉でも締られるように、消魂しく々と啼き立てる其の声尻が、軈てかぼそく悲し気になって、滅入るように遠い遠い処へ消えて行く――かとすれば、忽ち又近くで堪え切れぬように啼き出して、クンクンと鼻