Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
此忍びぬ心と、その忍びぬ心を破るに忍びぬ心と、二つの忍びぬ心が搦み合った処に、ポチは旨く引掛って、辛くも棒石塊の危ない浮世に彷徨う憂目を免れた。で、どうせ、それは、蜘蛛の巣だらけでは有ったろうけれど、兎も角も雨露を凌ぐに足る椽の下の菰の上で、甘くはなくとも朝夕二度の汁掛け飯に事欠かず、まず無事に暢びりと育った。
育つに随れて、丸々と肥って可愛らしかったのが、身長に幅を取られて、ヒョロ長くなり、面も甚くトギスになって、一寸狐のような犬になって了った。前足を突張って、尻をもったてて、弓のように反って伸をしながら、大きな口をアングリ開いて欠びをする所なぞは、誰が眼にも余まり見とも好くもなかったから、父は始終厭な犬だ厭な犬だと言って私を厭がらせたが、私はそんな犬振りで情を二三にするような、そんな軽薄な心は聊かも無い。固より玩弄物にする気で飼ったのでないから、厭な犬だと言われる程、尚可愛ゆい。
「ねえ、阿母さん此様な犬は何処へ行ったって可愛がられやしないやねえ。だから家で可愛がって遣るんだねえ。」
と、いつも苦笑する母を無理に味方にして、調戯う父と争った。