Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
私は居るか居ないか分らんようになって了った。初は少からず不平に思ったが、しかし雪江さんを観ているのには、反て此方が都合が好い。で、母屋を貸切って、庇で満足して、雪江さんの白いふッくりした面を飽かず眺めて、二人の話を聴いていると、松も能く饒舌るが、雪江さんも中々負ていない。話は詰らん事ばかりで、今度開店した小間物屋は安売だけれど品が悪いの、お湯屋のお神さんのお腹がまた大きくなって来月が臨月だの、八百屋の猫が児を五疋生んで二疋喰べて了ったそうだのと、要するに愚にも附かん話ばかりだが、しかし雪江さんの様子が好い。物を言う時には絶えず首を揺かす、其度にリボンが飄々と一緒に揺く。時々は手真似もする。今朝結った束髪がもう大分乱れて、後毛が頬を撫でるのを蒼蠅そうに掻上げる手附も好い。其様な時には彼は友禅メリンスというものだか、縮緬だか、私には分らないが、何でも赤い模様や黄ろい形が雑然と附いた華美な襦袢の袖口から、少し紅味を帯びた、白い、滑こそうな、柔かそうな腕が、時とすると二の腕まで露われて、も少し持上げたら腋の下が見えそうだと、気を揉んでいる中に、又旧の位置に戻って了う。