Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひらやまばば

平山婆

田中 貢太郎

Leggi 平山婆 (ひらやまばば) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 995 caratteri · 2 schermate

Aozora Bunko

福岡県嘉穂郡漆生村に平山と云う処があって、そこに坑夫の一家が住んでいた。家族は坑夫の息子夫婦とその両親の四人であった。

明治末季比、その両親夫婦、即ちお爺さんとお婆さんが、ちょっとした病気で僅かの間に死んでしまった。ところで、その爺さんと婆さんが死んでから間もない時のこと、そこの息子の細君が何かの用事で壁厨を開けたが、開けるなり、

「わ」

と云って外へ飛び出した。庭では息子が薪を割っていた。息子はその声に驚いて、

「何だ、どうしたのだ」

と云って聞いたが、細君は真蒼な顔をして顫えているばかりで何も云わなかった。そこで息子が又聞いた。

「おい、どうしたのだ、何かあったのか」

「お爺さんとお婆さんがおった」

と云って、細君は家の中を恐ろしそうに見た。息子はばかばかしかった。

「ばかだなあ、死んでしまった者が、どうしておる、神経だよ」

「神経じゃないよ、ほんとだよ、嘘と思や往って見るがいい」

「ばかだなあ、今の世に、そんな事があるものか」

「だって、ほんとだよ、往ってみるがいい」

細君の物脅えの顔色が治まらないので、息子はとうとう上へあがって、細君の締め残してあった壁厨の襖を開けた。