Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Leggi 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.367 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

庭窪の蘇州庵で無残な利七の死に態を見たとき、何等かの方法でやれぬこともないと思い、また、ひょッとしたら陳東海の双生児の兄弟が諜合せてやったことかとも考えていたが、ここに到っては源内先生も唖然となるほかはない。

源内先生は究理学者だから魔法の妖術のということは絶対に信じない。この世の万事はすべて物理に依って支配されているのであって、それを無視した超自然の事などはあり得よう筈がないが、しかし、何と言っても、不思議は不思議。歴史始まって以来、このような奇異な殺人が行われたことはまだ聞かない。

源内先生は、吐息をついて、

「いや、どうも驚き入ったことです。この世にそんなことが現実に行われようとも思われませんが、しかし、何と言っても事実は事実。わたくしにも少々考えがありますから、どうか一切の次第をお包み隠しなく仰言っていただきとうございます」

「とうてい公然に申されん耻かしかことですばッてん、今迄は誰にも申したことがござりませんでしたけンが、かくなる上は何事も明瞭と申上げまッしょう。……今から八年前のことでございました。お種が十七の時、お諏訪さまの踊子にいたしましたが、その年の九月、ちょうど夏船が二十九艘一時に着き、桜町の箔屋が例年の通り桟敷を造って船頭や財副や客唐人を招いて神事踊ば見せたのでござりました。