Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

Leggi 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選 (ひかげのまち) di 松本 泰 (まつもとたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.797 caratteri · 107 schermate

Aozora Bunko

「おい、本統の事をいうがいい。ピムリコなんかへ行けばとんだ事になったっけね。中途で婦人は気がついて、V停車場の西口で降りてしまったよ。お前達のような奴がくるから、倫敦が悪くなるんだ」

「馬鹿野郎! 俺の友達に対して何をいうんだ」柏は運転手の暴言を買って出て、相手の胸を小突いた。

「乱暴しちゃアいかん。兎に角ここで争っても仕方がない。御迷惑でしょうが、署まで同行して下さい。この事件は近来での怪事件で、スコットランドヤードでは、非常な努力で犯人を挙げようとしているところですから、仮りに貴殿方が多少でも、この事件にひっかかりがあるとすれば、それが手掛りとなって、犯人の逮捕に、どんな便宜を与えるかも知れんですよ」警官は対話の間に、私共は同じ東洋人でも、日本人である事を知って、言葉にも、態度にも、親しげな様子を見せてきた。被害者が東洋人であれば格別、相手が縁の遠い仏蘭西人ときているので、常識から考えても私共と被害者と直接の関係はないと思ったらしい。

警官の言葉に従って、私達は倶々に警視庁へいった。柏は付添人という格である。

私共は窓の外にウエストミンスターの塔の見える広い部屋で、カクストンという部長の訊問を受けた。