Classici giapponesi con furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate
できれば、あの術を私ども兄妹にお教えくださって、この大望をとげさせてくださいませ。おねがいでございます」
兄の駿河太郎と、妹の月子は声をそろえて、道人の膝にすがるのでした。それほど、船はせまく、そして、海には五ツすぎ(八時すぎ)の風がたってきました。
「それは教えもしよう、が、修業はなかなかむずかしい。私の体得した術というのは、そのむかし、果心居士という道人が、大明国にわたって、神仙から習得したといわれている、幻術の一種じゃ。私はそれから三代め」
「幻術?」
「これは忍術じゃ、魔術とちがって、いたって理づめのものだが、凡智凡俗では、習いおぼえることは、はなはだむつかしい」
忍術は武術の一種で、修練一つであるところまでは達するが、幻術はひとの心の秘密にわけいって、おこなう術で、今のことばでいえば衆団催眠術。それにそのころはまだ秘術として、一部の学者につたえられていた原始化学をおうようしたもの。魔術は手品の一種で、これは詐術といっていいもの――と心外道人は説明してくれるのです。
「すると、やはりキリシタンのようなものでしょうか」
駿河太郎はたずねました。
「いや、いや、キリシタンは異国の教えだが、まぎれもない正法で、なんのふしぎもない教えだ。