Classici giapponesi con furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate
「それがどうした?」
「泉田筑後さんのいるところをしりたきゃ、教えてあげようかと思ってね――なアに、ただもうそれだけのことですよ」
「泉田筑後氏は、どこにいるのだ。サア、教えてくれ、たのむから」
天魔太郎と虎吉はおもわず牢格子にしがみつきました。
「ひと口にはいえませんよ――さっき、となりの牢でやったように、ちょいとこの格子をあけてもらいましょうか。心配することはありません。あっしは野州の熊五郎というケチな野郎で、ヘッ、ヘッ」
「だが――」
天魔太郎はちゅうちょしました。これがもし極悪な兇賊だったりすると、外へにがした罪は容易ではありません。
「あッ、しまった牢やぶりがわかった」
そのとき風雨をついて、あわただしく板木がなるとつづいておこるホラ貝のひびき、半鐘の乱打、わめきたてる人ごえ、まさに牢番同心の連中は縄をといて、きゅうを囚獄与力石出帯刀につげ、たちまち役人組子をくりだして、嵐の夜中ながら、伝馬町じゅうの大そうどうになったのです。
みるみる八方から乱れおそう人の足音、
「牢やぶりだ」
「曲者をめし捕れッ」
どっときそい立つ人の洪水、
「早く、早く、カギを」