Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

そんな話をしているところへ、幕をかかげてヌッと入ってきた、目のさめるような少年、のし目の紋付、精好の袴に長刀を左にたずさえて、

「さいしょの負け手は誰じゃ」

不敵な大言をはいて、ニッコリ、ゆたかなほおをほころばせるのです。

「や、おのれは天魔太郎」

三人いっしょに、床木をけって立ちあがりました。

「いっしょにくるか、手数がかからなくて、それはありがたい」

天魔太郎は、おどろく色もありません。

「いや、クジの一番はおれじゃ、どんとくるか小冠者」

そのなかから覚心坊がおどり出します。

「なんで行こう」

「術くらべじゃ、あのやぐらに乗って、祈って、いのって、相手をいのり負かすのじゃ」

「ホウ、おもしろいな」

「なにを、今にホエ面をかこうぞ」

覚心坊は天魔太郎をさしまねくと、人をみをわけて矢来の中に入り、北のやぐらにかけたはしごをふんで、六間上の頂上、約一坪ほどの祭壇にたちます。

「さて、めんどうなことじゃな」

天魔太郎は天上をあおいで、やぐらの高さを見さだめると、気合もかけずに、大地をたたいて、ポンポンポンと、三度の飛躍で、もうやぐらの頂上にのぼっております。

足場を手がかりに、牛若丸のような早わざです。