Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

「青柳又八郎、もう一度こぬか」

天魔太郎はしずかにいいました。足もとにたおれている青柳又八郎、斬ればかんたんに斬られるのを、すすんで斬る気もないらしく、又八郎のかみを大地にぬいつけた小刀をぬいてやって、こううながすのです。

青柳又八郎はようやく身をおこしましたが、もはやふたたび立ちむかう気もなくなったものか、草の上になげだされた自分の大刀をひろってサヤにおさめ、さすがにわるびれたようすもなく、目礼をしたまま、ゆうゆうと引きさがるのです。

尾州の名剣士青柳又八郎、腕はあきらかに天魔太郎を圧していましたが、天魔太郎に「飛龍剣」という投げ太刀の妙技のあることに気のつかなかったのは、まことに重大な手落ちで、さいごまで刀をぬかずに、その術をかくしおわせた天魔太郎に、みごとな勝をしめられてしまいました。

第三番目の相手は、猫間犬丸というふしぎな名をもった天魔太郎より、わずかに二ツ三ツ年上の、おなじ前髪だちの美少年でした。黒紋付白小倉のはかま、キリッとしたようすで、竹矢来のなかにすすむと、たもとのなかから一条のひもをとりだし、空中たかく、それをほうりあげると、ひもは北のやぐらのてっぺんにかかって、そのままクモの糸にもにた銀色の、ほそいほそいハシゴになるのです。