Classici giapponesi con furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Leggi 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.544 caratteri · 161 schermate
しかし一町余は上ったに違いない。漸くだらだら坂になって、上りきったナと思うと、
サア来ました。
ト蔵海がいった。そして途端に持っていた蝙蝠傘の一端を放した。で、大噐氏は全く不知案内の暗中の孤立者になったから、黙然として石の地蔵のように身じろぎもしないで、雨に打たれながらポカンと立っていて、次の脈搏、次の脈搏を数えるが如き心持になりつつ、次の脈が搏つ時に展開し来る事情をば全くアテもなく待つのであった。
若僧はそこらに何かしているのだろう、しばらくは消息も絶えたが、やがてガタガタいう音をさせた。雨戸を開けたに相違ない。それから少し経て、チッチッという音がすると、パッと火が現われて、彼は一ツの建物の中の土間に踞っていて、マッチを擦って提灯の蝋燭に火を点じようとしているのであった。四、五本のマッチを無駄にして、やっと火は点いた。荊棘か山椒の樹のようなもので引爬いたのであろう、雨にぬれた頬から血が出て、それが散っている、そこへ蝋燭の光の映ったさまは甚だ不気味だった。漸く其処へ歩み寄った晩成先生は、
怪我をしましたね、御気の毒でした。
というと、若僧は手拭を出して、此処でしょう、といいながら顔を拭いた。