Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Leggi 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.392 caratteri · 64 schermate

Aozora Bunko

十時半前、大阪駅に戻りました。汽車には、まだ間に合うのです。でも私は、黒部へ行こうとは勿諭思いませんでした。私は鉄路のほとりと別れて、神戸へむかいました。そして知合いに出あい、彼にさそわれて、焼鳥屋へのみに行ったりして、帰ったのです。小母様。だけど一歩家の中へはいった私は、又、重い石を頭にのっけられたような、いやな気持になったのです。淀んだ川瀬から、救い出してほしい。誰か救い出してほしい。私は疲れ切っていました。小母様、鉄路のほとりに、私の今の立場を救い出してほしいとは云いかねるのです。彼は生活がゆたかではありませんし、今のようなお互いの気持に、現実的な問題をどうして取上げられましょうか。その夜も、兄のことで、父母は何かぽそぽそ云ってましたし、私はすぐに寐床へはいり、とても、苦しい気持になったのです。一刻も早く。私は、重石をとりのぞかせるような状態まで、自分を持ってゆきたいと。私はその夜あれこれと随分考えました。彼とのこと。それと家庭のこと。その日だって、さっさと帰ればいいものを、電車を神戸で降りると、もういやあな気持になる。十二時半までものんでいました。