Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Leggi 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.103 caratteri · 121 schermate

Aozora Bunko

やっと、彼は五時頃やって来ました。ひどくむっつりしてました。客が混んでましたから、二人はすぐに出て、歩きはじめました。二十四日のことを云いますと、彼は、電話なんかしなかったんだと云いました。唯、神戸へ行き度くて行ったんだ。そしてのみ歩いたんだと云ってました。彼は、忘年会の約束があるなどぶっきら棒に云いました。別の喫茶店へはいり、少し話をはじめましたが、私の云うことにいちいち嫌味や皮肉を云うのです。私はおこっているのか、と問いました。何もおこってやしない。そしてすこぶる不機嫌なんです。私はその原因が、仕事の疲れだろうと思いこもうとしたのです。何かのことで、私の女友達の話が出ました。彼は、彼女にたよりしたんだと云いました。私ははっとしたんです。私には長い間、手紙をくれない。書く暇があるなら、どうして私へ手紙をくれないんだろう。その女友達への彼の手紙の内容が、どんなものであるにしろ、簡単なものであったにしろ、書いたということが、私の心を動揺させました。でも私は黙って居りました。彼は暫くして、忘年会へ出席するのがおくれると誰かに電話をしていました。私は、今迄の心の動揺を忘れて、彼に感謝しました。