Classici giapponesi con furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Leggi 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.103 caratteri · 121 schermate
だからもう云いませんと申しました。彼は、私をひっぱるようにして、私の乗場のところ迄、ひきつれました。そして、改札口へ私がはいる時、又大きな声で云いました。
「今、俺とキスしよう。ようしないだろう」
そして、せせら笑いを残して帰ってゆきました。私は、その時ふと緑の島のことを思い浮べてしまいました。緑の島も、よくお酒をのむ人でした。よく二人でのみました。しかし、いつも笑って握手をしてさよならしたものでした。勿論、私がすねてお説教をくらったこともあります。私がいらいらして、怒ったこともあります。でも別れる時は、笑顔だったのです。私は、自分が緑の島を思い出したことに対して、ひどく又自分をいじめました。重い気持で電車にのったのです。もう、鉄路のほとりとは、まったくつながりがたたれたように思えました。でも、私はやはり彼を愛しているのです。その日帰宅してからも、電話がかからないかと待っておりました。そして、机にむかい、彼に速達をしたためました。
あなたの愛情が感じられなくなったと。
もうおしまいのようだと。そして、お返ししたいものがあるし、さし上げ度いものがあるから、三十日の午後十時迄に、連絡して下さい。