Classici giapponesi con furigana
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Leggi 影男 (かげおとこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.133 caratteri · 310 schermate
「お客さま、いかがでございましたか、わたくしどもの趣向は?」
色白のちょびひげの紳士は、西洋流のゼスチュアで、うやうやしくたずねた。
「すてきです。ぼくはめったに物に驚かぬ男ですが、きょうはかぶとをぬぎました。ほんとうにびっくりしたのです。ところで、あなたがここのご主人ですか。それとも、社長さんというのですか」
影男は少し身を起こして、ブランデーのグラスをテーブルに置いた。
「まずそのようなものです。名まえはわざと申し上げません。お客さまのお名まえも、伺わないことになっております」
「それはわかっています。しかし、この目くらましの秘密について、少しおたずねしてもいいでしょうか。東京の地下に、こんな恐ろしい別世界を現わすのは、いったいどこの国の幻術なのですか」
ちょびひげの男は、ニッコリ笑って、
「それを伺って安堵しました。あなたさまはひょっとしたら、目くらましの種を見破っていらっしゃるのではないかと心配しておりましたが……」
「やっぱり、種があるのですね。ぼくは夢を見せられたのでも、催眠術にかかったのでもありませんね」
「種あかしは、かえって興ざめかもしれません。