Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

かげおとこ

影男

江戸川 乱歩

Leggi 影男 (かげおとこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.133 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

そのとき、びっくりさせるように、電話のベルが鳴った。鮎沢はそこへ歩いていって受話器をとった。

「うん、おれだよ……なに、使いに出たまま、うちへ帰らないで、郊外へ郊外へと……わかった。どこまでもあとをつけるんだ。十分ごとに、電話のある家を見つけて、そこの人にここへ電話をかけさせろ。その家の位置がわかればいいのだ。用件はどうとでも作り出せる。あたりに家がなくなるまで、それをつづけるんだ。百姓家だって電話のある家がある。そこへ駆けていくんだ。相手は子どもの足だ。見失う心配はない。わかったな。じゃあ」

受話器をおくと、しかめていたまゆを急にひらいて、ニッコリと女を見た。

「なんだか別の事件があるらしいのね。鮎沢さんって忙しい人ね」

「いつでも十ぐらいの事件が継続中だ。忙しくなくっちゃ生きがいがないよ。今の電話は、善神をつとめるほうの事件だ。ぼくは悪神になる場合が多いが、善神にもなれるんだぜ。たとえば、きみに対しては、いつでも善神なんだからね」(軽い笑い)

「あたしだけに善神じゃなくて、たくさんの女の子にも、でしょう」(笑い)

その実、そのたくさんの女のひとりでも、彼女が知っているわけではなかった。