Classici giapponesi con furigana
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かれがころしたか
彼が殺したか
浜尾 四郎
Leggi 彼が殺したか (かれがころしたか) di 浜尾 四郎 (はまおしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.336 caratteri · 83 schermate
に至ったのである。
彼が此の大それた犯罪の動機は全く痴情であった。醜き不義の恋であった。若く美しき道子夫人は実は大寺と一年程前から凡てを許す仲になっていたのである。大寺が道子と相識るに至ったのは最近二年程の事であったが、妻に全く愛を持たず、且つ病身で常に薬に親しんでいる夫と淋しい家庭生活を送って居た道子は、僅かの交際によってこの美青年を愛するようになったのである。一方大寺の方は、予て道子の淋しい家庭生活をきき之に同情して居た際とて道子からの甘い言葉をきくと、学生たる本分も忘れ果て、忽ち不義の甘酒に酔うようになったのである。此の二人の間は、決して妻の行動を束縛しない夫の態度によってますます濃厚となり、二人は之をよい事にして盛んに媾曳をするようになった。或る時は道子自ら大寺をその下宿に訪れ、或る時は東京駅で出会って二人して郊外に出かけ、殆ど醜態の限りを尽して居たのであった。一郎の自白によって直ちにその住居の捜索が行われたが、其の時押収された道子から一郎に宛てた封書は百通にも上って居たと云われて居る。ところが此の道子の心が最近に至って外に移りはじめて、浮気な道子はやはり大寺の仲間の友田剛(当日K町に行った学生)に恋するようになったのだが、之こそ今回の兇行の動機であった。