Classici giapponesi con furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Leggi 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.483 caratteri · 43 schermate
源七郎は手を伸ばして受け取った、それはまちがいなく今あるじが話した古鏡と思えた。かれは眼をあげてじっと信夫の面を見まもりながら「信夫どの、こなたはこの品がなんであるかご存じですか」「……はい」そう答えながら信夫も眼をあげた、心にしみいるようなあの眼だった、「……存じております、牡丹の鏡でございます」そしてにわかに赧くなった、それはふいに花の咲いた感じだった。源七郎はその面をたしかめるようにみつめ、やがて眩しそうに目叩きをしながら云った、「たしかに頂戴いたします」
勘兵衛夫妻が源七郎を式台まで送って出た。信夫は居間へさがって、着替えをすると、すぐにまた庭の菜園へおりていった。僅かな時の間に自分がまるで違う人間になったように思える、牡丹の鏡を贈ることがなにを意味するかは父から聞かされた、かねてそうなるのではないかと考えたり、また自分のようなふつつかな者がと諦めたりしていた、それがいよいよ事実になった、自分はやがて土田源七郎の妻になるのだ、そう思うとなんともいいようのない感動で胸がいっぱいになり、空の色もあたりの樹々も、畑の蔬菜のみずみずしい