Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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びしょう

微笑

横光 利一

Leggi 微笑 (びしょう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.911 caratteri · 50 schermate

Aozora Bunko

」

間髪を入れぬ栖方の説明は、梶の質問の壺には落ち込んでは来なかったが、いきなり、廻転している眼前の扇風機をひっ掴んで、投げつけたようなこの栖方の早業には、梶も身を翻す術がなかった。

「その手で君は発明をするんだな。」

「おれのう、街を歩いていると、石に躓いてぶっ倒れたんです。そしたら、横を通っていた電車の下っ腹から、火の噴いてるのが見えたんですよ。それから、家へ帰って、ラジオを点けようと思って、スイッチをひねったところが、ぼッと鳴って、そのまま何の音も聞えないんです。それで、電車の火と、ラジオのぼッといっただけの音とを結びつけてみて、考え出したのですよ。それが僕の光線です。」

この発想も非凡だった。しかし、梶はそこで、急いで栖方の口を絞めさせたかった。それ以上の発言は栖方の生命にかかわることである。青年は危険の限界を知らぬものだ。栖方も梶の知らぬところで、その限界を踏みぬいている様子があったが、注意するには早や遅すぎる疑いも梶には起った。

「倒れたのが発想か。倒れなかったら、何にもないわけだな。」

これもすべてが零からだと梶は思って云った。彼は栖方が気の毒で堪らなかった。