Classici giapponesi con furigana
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
Leggi 心のアンテナ (こころのアンテナ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.973 caratteri · 27 schermate
お母さんが訊いたら、友達に侮られるから学校へ行くのが厭になったと言う。
「何と仰有るの? 皆さんが」
「鶴田さんと芹沢さん丈けですけれど」
「芹沢さんは仲よしで、この間遊びに来て下すったじゃありませんか?」
「あれは家の様子を見に来たのよ。金持か貧乏かと思って」
「貧乏だって仰有るの?」
「いゝえ。芹沢さんのところ、家よりもっと貧乏らしいわ」
「それじゃ何と仰有るの?」
「今度の日曜に鶴田さんと芹沢さんと私とで池田さんのところへ遊びに上ることになっていましたの。大森のお屋敷よ」
「華族さんでしょう、池田さんは」
「えゝ。それですから家令がいるんですって。その家令が大変厳しい人ですから、鶴田さんと芹沢さん丈けでいらっしゃるんですって」
「お前は?」
「いけないんですって」
「何故?」
「…………」
「何故よ?」
「でも芸人の子ですからって」
と美代子さんはシク/\泣き出した。
お母さんは芸人の子だからといって恥じることは些っともないと教えた。商売家業は何でも同じこと、同じことは一つことで、高下がないと言った。鶴田さんのところは官吏、芹沢さんのところは画家、美代子さんはそれに対して多少気が引けていたところへ、明らさまに芸人の子だからと言われたのだった。