Classici giapponesi con furigana
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しんぞうとうなん
心臓盗難
海野 十三
Leggi 心臓盗難 (しんぞうとうなん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.434 caratteri · 21 schermate
このように敏感なる報道陣も、賊烏啼と恋の選手月尾寒三とが同一人物たることには思い到らず、それ故に四角の恋愛合戦と伝えているところは、袋探偵には笑止だった。
このことあって四五日のうちに、かれ安東仁雄は、烏啼のため心臓を盗まれ而もなお生きている男として一躍社会の人気者となり、そして彼はかねての放言どおり月尾寒三を見事に押切って今福嬢の愛を得てしまったので、その人気は更に高まった。その後に期待さるるものは、両人の結婚の日取がいつに決定するかということだった。
このようなスピーデーな意外な現実に、袋探偵は徹頭徹尾大面くらいの形であったが、心臓を抜かれた安東仁雄が、心臓を抜かれたことによって一躍有名となりそして待望の恋まで得てしまった今日、安東は十分満足し切っているであろうから、従って彼の安東に対するサービスはもうしなくなったものと信じた。それで彼は安東の渦巻から遠のいていた。
ところがある日彼は、ある所でばったりと安東仁雄に行き会った。めずらしく彼は西枝を連れていなかった。その代りに新聞記者が十四五人とりまいていた。
「安東君、おめでとう。顔色はますますいいようだね」