Classici giapponesi con furigana
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ただなおきょうぎょうじょうき
忠直卿行状記
菊池 寛
Leggi 忠直卿行状記 (ただなおきょうぎょうじょうき) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.602 caratteri · 47 schermate
正直な丹後は、盤面に向って追従負けをするような卑劣な心は、毛頭持っていなかった。
が、もう忠直卿の心には、家臣の一挙一動は、すべて一色にしか映らなくなっていた。
老人は、その日家へ帰ると、式服を着て礼を正し、皺腹をかき切って、惜しからぬ身を捨ててしまった。
忠直卿御乱行という噂が、ようやく封境の内外に伝わるようになった。
勝気の忠直卿は、これまでは、他人に対する優越感を享受するために、よく勝負事を試みたが、このことがあって以来は、その方面にも、ふっつりと手を出さなくなった。
こうなると、忠直卿の生活がだんだん荒んで行くのも無理はなかった。城中にあっては、なすことのないままに酒食に耽り、色を漁った。そして、城外に出ては、狩猟にのみ日を暮した。野に鳥を追い、山に獣を狩り立てた。さすがに鳥獣は、国主の出猟であるがために、忠直卿の矢面に好んで飛び出すものはなかった。人間の世界から離れ、こうした自然界に対する時、忠直卿は自分を囲う偽りの膜から身を脱出し得たように、すがすがしい心持がした。
五
これまでの忠直卿は、国老たちのいうことは、何かにつけてよく聞かれた。