Classici giapponesi con furigana
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おもいでのき
思い出の記
小泉 節子
Leggi 思い出の記 (おもいでのき) di 小泉 節子 (こいずみせつこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.841 caratteri · 62 schermate
と云うので、泳ぎたくてならなかったのですが、遂に止めました。ヘルンは止めながら大不平でした。残念と云うので、翌日まで物も云わないで、残念がっていました。数日後の話に『皆人が悪いと云うところで、私泳ぎましたが過ありません。ただあの時、ある時海に入りますと体が焼けるようでした。間もなく熱がひどく出ました。それと、あゝあの時です、二人で泳ぎました、一人は急に見えなくなりました。同時に大きな鮫の尾が私の直ぐ前に出ました』と申しました。
松江の頃は未だ年も若く中々元気でした。西印度の事を思い出してよく私に『西印度を見せて上げたいものだ』と申しました。
二十四年の夏休みに、西田さんと杵築の大社へ参詣致しました。ついた翌日、私にも直ぐ来てくれと手紙をくれましたので、その宿に参りますと、両人共海に行った留守でした。お金は靴足袋に入れてほうり出してありまして、銀貨や紙幣がこぼれ出て居るのです。ヘルンは性来、金には無頓着の方で、それはそれはおかしいようでした。勘定なども下手でした。そのような俗才は持ちませんでした。ただ子供ができたり、自分の体が弱くなった事に気がついたりしてから、遺族の事を心配し始めました。