Classici giapponesi con furigana
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おもいでのき
思い出の記
小泉 節子
Leggi 思い出の記 (おもいでのき) di 小泉 節子 (こいずみせつこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.841 caratteri · 62 schermate
浴衣はただ反物で見て居るだけでも気持ちがよいと申しました。始めの好みは少し派手でしたが、後にはじみな物になりました。模様は、波や蜘蛛の巣などが殊に気に入りました、これを着ますと『あゝあの浴衣ですね』などと云って喜びました。日本人の洋服姿は好きませんでした。殊に女の方の洋服姿と、英語は心痛いと申しました。
ある時、上野公園の商品陳列所に二人で参りました。ヘルンはある品物を指して、日本語で『これは何程ですか』と優しく尋ねますと、店番の女が英語でおねだんを申しました。ヘルンは不快な顔をして私の袖を引くのです、買わないであちらへ行きました。
早稲田大学に参るようになりました時、高田さんから招かれまして参りました。奥様が、玄関に御出迎え下さいまして『よく御出で下さいました』と仰って案内されたのが英語でなくて上品な日本語であって嬉しかったと云うので、帰りますと第一に靴も脱がずにその話を致しました。
『読売新聞』であったかと存じます、ある華族様の御隠居で、昔風が御好きで西洋風の大嫌いの方の話がありました。女中も帯は立て矢の字、髪は椎茸たぼの御殿風でございました。