Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Leggi 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 44.840 caratteri · 88 schermate

Aozora Bunko

「私は厠へまいるつもりで、起きて夜具から出まして、障子をあけたところがいきなりおでこをなにかにぶっつけました、よく眼から火が出るということを申しますが、御城代はそんな覚えがおありですか」

「そう……まあ、ないようだが」

「本当に火が出るんです、ばしッといったぐあいにですね、ひどいもんです、吃驚しまして、これは方角が違ったと気がついたもんですから、こんどはこっちへ見当をつけてあけました、するとなにかしらぐにゃッとした物を踏んづけたんですが、そいつがもう、まるでまっ暗がりの中でものも云わずにとび掛って来たんです、いきなりですからね、……こっちは御参なれと思いました、さあ来いというわけです、なにしろこれから世話になる山治家のためですから、武運つたなく死ねば死ねと覚悟をきめて、むにむさんにひっ組んで、敵もさる者でしたから相当に骨が折れましたけれども、そこへ人がやって来たりしたときは遂に、……相手は気絶していたんですが、それがまさか家扶の相模さんとは、私としては実に案外でもありぺてんにかかったような心持で、これは御城代にもわかって頂けると思うのですが、どうでしょうか」